鹿児島県産麦焼酎 「野中さんちの麦」

田苑酒造の蔵が立つ樋脇町から北へ約35キロ、鹿児島県出水市。
県内きっての「麦職人」と呼ばれる野中保さんは、北薩の広大な麦畑で約50年、大麦を育て続けてきました。
野中さんが愛情いっぱいに育てあげた、鹿児島産の二条大麦を100%使った本格麦焼酎は、素朴な麦の香りの中にも、柔らかな甘さと軽やかさを醸す逸品に仕上がりました。

鹿児島県内きっての「麦職人」野中保さんとご一家

すべては「想い」からはじまった

「想い」が繋がった瞬間

「焼酎造り」と「麦づくり」。
ふたつの情熱がひとつに繋がり、
新しい価値へ。

「野中さんちの麦」誕生のきっかけは、田苑酒造が追い求める「理想の焼酎造り」へのこだわりでした。現在、田苑酒造の麦焼酎は、オーストラリア産の二条大麦を原材料としています。粒が大きく均一であることや精麦した際の品質も優れており、焼酎造りに適しているといえるからです。しかし鹿児島県で唯一、麦焼酎を主に製造しているメーカーとして、「地元鹿児島の大地で生産された二条大麦を原材料とした麦焼酎を造ってみたい。」そんな開発者の熱い想いが、新しい挑戦への原動力となり、新しい本格麦焼酎の開発をスタートさせました。

「最高の麦を作りますよ!」と胸を張る野中さんとの出逢いが、開発者の熱い想いを実現へと導きました。
野中さんとのコラボレーション。蔵元と生産者、ふたつの「想い」がひとつに繋がった「野中さんちの麦」は、田苑酒造の新たな1ページとなりました。
その先には、新しい長期貯蔵やブレンドなど未知なる可能性を秘めた未来へと繋がっています。

「想い」が紡ぐ、こだわりの麦焼酎

I こだわりの「麦」

国産であり、鹿児島産であり、
二条大麦である、という「希少」。

国内大麦収穫量に占める鹿児島県の収穫量は、たった0.14%ほど。輸入を含めた全体では、わずか0.06%と非常に希少な存在です。* しかも焼酎造りに適した「二条大麦」はもともと高温多湿を嫌う品種であるため、雨の多い鹿児島県では栽培自体がたいへん難しいと言われています。そんな厳しい条件のもと、出水市の麦畑で約50年にわたってこだわりの大麦を育てつづけてきた人物こそ、野中保さん。約40年間、鹿児島県で唯一の「麦の種場」として、県内で栽培されるすべての二条大麦の種を生産し、提供してこられた県内きっての「麦職人」です。「鹿児島産の二条大麦を使って麦焼酎を造る」。田苑酒造がそう決心した時、真っ先に思い浮かんだのが野中さんでした。
*貿易統計・農水省作物統計より(平成25年)より

こだわりの麦

どんなに雨が降っても、
麦の品質は落とさない。
その極意は「排水」にあり。

農林水産祭において日本農林漁業振興会会長賞を受賞した実績をもつ野中さん。その麦畑は総面積約11へクタール、実にサッカー場15面分以上の広さを誇っています。でも特筆すべきはその広さではなく、栽培への独自のアプローチ。
「いちばん大切なのは、排水」と、野中さんは言います。
降水量の多い鹿児島の地で、高温多湿を嫌う二条大麦を育てるには、水はけがよくなくてはならない。土壌に水分が少なければ、麦は水を求めて根を深く張り強く育つ。そこで、水が浸透しやすいよう、硬い土を縦に切り裂き、深く攪拌する。圃場の修理の縁には、排水のための溝を設け、横方向への排水も万全に備える。こういった野中流の麦栽培の極意により、品質や収量が雨量に左右されにくい環境を整えているのです。

事実。野中さんの大麦は
甘く、粒ぞろいで、大きい。

そんな野中さんの畑で育った大麦をひと口に含めば、事実、「麦とはこんなに甘いものなのか」と驚かされます。野中さんいわく、それは「でんぷんが多いから」とのこと。ひと粒ひと粒が均一で大きく、焼酎造りに大切な「でんぷん」がたっぷり含まれる野中さんの大麦。味のちがいはもちろんのこと、手に取ればその「価値の重さ」をもずっしりと感じることができます。排水がよく、頑丈な根がたくさん出ていることで、いい麦が育つ。野中さんの麦作りは、その事実を確かに証明しています。

『野中さんちの麦焼酎』の発売にあたり〜契約農家:野中保氏〜

「長年作り続きてきてよかった。」これが素直なきもちです。

現在は技術や科学が発展し、手間なく効率よく農業を進めることもできる時代になりました。そのような中、私は先代の年寄りから代々受け継がれてきた“昔ながらの教え”を貫いてきました。それは特別難しい事ではありません。「手間」をかけ「想い」をもって丁寧に作物に接しているだけのことです。毎日毎日観察し変化に応じて作物が必要とする「手」を加えてあげると、実りの時季にはその気持ちに作物が応えてくれます。この瞬間、たまらなく幸せな気持ちになりますし、また頑張ろうという励みに繋がっていきます。

鹿児島の風土は、麦を作るには不向きな環境です。その中で私が、焼酎造りに適した良質な麦作りを継続できているのは「畑の水はけに気を配る事」と「土作りの為の複合農業」のおかげだと思っています。これは水田を高度利用する為に、稲・麦・馬鈴薯・キャベツなど性質の違う作物を、周期的に作り続けることです。これにより、病虫害が発生しにくい、強く栄養豊かな土を作り上げる事ができるのです。昔の人は「稲藁は麦作りの為、麦藁は稲作りの為」と言ったものです。土が元気でなければ元気な作物は実りませんよ。

こうした日々の地道な努力は、昭和48年から約40年間「種麦生産農家」として鹿児島県種子協会から認定をいただいていた事も、ひとつのきっかけとなっています。「良い種麦を作れる人だ」と認められた訳だから「じゃあ良い麦を育て続けていかなければ!」という強い想いに繋がっています。昭和61年にいただいた、「日本農林漁業振興会会長賞」もそうですが、賞を頂くということは自分が認められたということなので、それに恥じない働きや結果をこれからも出していけるよう強い想いを持って、これからも頑張りたいと思います。(日本農林漁業振興会会長賞を、麦作で受賞している鹿児島県人は、現在のところ野中氏のみ。2016年6月現在)

II こだわりの「酵母」

こだわりの酵母で、焼酎づくりをしている。
「1次仕込み」と「2次仕込み」の様子。

こだわりの酵母

数ある酵母の中から、
「特別な麦」との相性にこだわって。

焼酎造りに必要不可欠なのが、麹や酵母など微生物の存在。酵母は焼酎の香りや味わいを大きく左右する、大切な要素のひとつと言えます。
「野中さんちの麦」では試行錯誤のすえ、数ある酵母の中から、野中さんの二条大麦にふさわしい鹿児島酵母とさらに田苑酒造の自社酵母を厳選。
手間を惜しまない徹底した温度管理の中、一次もろみで約6日間、二次もろみで約12日間じっくりと発酵させています。

III こだわりの「水」

藤本滝(ふじもとのたき)

藺牟田池(いむたいけ)

こだわりの水

清く、やわらかく、美味しい。
北薩・シラス台地の
伏流水を使用。

田苑酒造が焼酎造りを続ける薩摩川内市樋脇町は、自然豊かな鹿児島県の中にあっても特に、美しい天然の水源に恵まれた地域。火山性のシラス台地と平野の間にあって、山々から流れ出る幾筋もの清流が樋脇川となり、大地をうるおしています。シラス層を通って湧き出た伏流水は不純物がろ過されて弱アルカリ性となることで、やわらかい水質が特徴。鹿児島産の天然水も、「野中さんちの麦」の美味しさを造る大切な素材です。

つぎの焼酎造りへ。

「技術」と「原材料」、そして「情熱」で。
焼酎の理想を、
どこまでも追求していく。

日本初となる「樽貯蔵」の麦焼酎を完成させ、独自の「音楽仕込み」を開発し、さらに「長期貯蔵」の蔵としても評価をいただいている田苑酒造。私たちは、これらの「製法」や「技術」という財産に満足することなく、「原材料へのこだわり」においても、ほかのどの蔵にも負けない存在でありたいと考えています。「野中さんちの麦」は、田苑酒造が将来にわたって理想の焼酎を追い求めることの「宣言」であり、大きな一歩でもあります。今までも、これからも、唯一無二の美味しさを造る蔵元として。私たちは新たな挑戦を続けていきます。

『野中さんちの麦』開発にあたって

麦の風味を大切に。

「大麦がどのように育つのか知らずに、よい麦焼酎は語れない。」そんな想いで、一昨年の冬から野中さんに大麦作りを教えていただいています。
分かったのは、鹿児島の地で品質のよい大麦をつくりあげることの難しさ。
経験や知識だけではなく、最先端の技術を取り入れる野中さんの探求心にとても心を動かされました。
今回、造り上げた『野中さんちの麦』も理想の焼酎造りへの第一歩。野中さんの大麦作りと同様に現状に満足することなく、更なる美味しさを野中さんの大麦とともに求めていきたいと思います。
(杜氏 岩元)

野中さんに恥じない仕上がりを目指して。

原材料となる二条大麦を子どものように大切に育ててくださった野中さんの想いに応えられるよう、焼酎造りも徹底的にこだわり抜きました。
酵母の選定から発酵温度の管理・蒸留・精製方法にいたるまで、すべての工程で「野中さんの大麦」にふさわしい造りを試行錯誤。仕上げにおいては3種類の原酒をブレンドすることで、スッキリとした中にも味わいのある焼酎に、出来上がったと思っています。
(製造部 研究室 松下)

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